知っておきたい占い師の世界

占い師は、仕事として行う場合、特に設備を揃えたりとか、資金を準備したりというようなことが必要なく、始めようと思えば誰にでも簡単にできる職業です。本業で鑑定所を開いて活躍されている占い師もいる反面、副業として占いを行ない、副収入を得ている占い師もたいへん多いようです。簡単に始められるとはいいましても、他人や社会とかかわっていく仕事ですから、資質はもちろんのこと、占いの、広く深い知識が絶対に必要です。なぜなら、悩みの相談に訪れる人は千差万別であり、どんな内容の問題にも応じられる自信と実力が何にもまして大切だからです。また、占い師になるには、国家試験での資格のようなものはなく、あくまでも自分の実力と人からの信頼が基本となるものです。
「うらない」ということは、もともとは「うら」という言葉から出ています。その「うら」という言葉は「心の中で思っていること」「外にあらわれない心持もち」のことであり、「うらさびし」とか「うらがなし」といえば、「うら」は、物事の「心の意」であることが分かります。そして、この「うら」が動詞の形をとり、「うらふ」「うらへ」となり、「うらなふ」となったのだそうです。「うらなふ」は現在では「うらなう」となりました。
「うらなふ」は、「事の成り行きの吉凶を、神に問うて、その心を預けて、定める」ということです。これが現在の「うらない」の意味として定説となるものでしょう。
日本の古語では、このうらなうことを、「ふとまに(太占)」といい、大昔すでに、そのようなことが行われていたようです。「ふと」は讃辞で、大いなる意、「まに」は「まにまに」または「ままに」であり、神の心に問うて、その像に出た「ままに」行動することです。シナでは大昔、亀の甲や牛の骨を焼いて、そのひび割れの形から占いをしたということです。
また、天体の動きと地上の人間の誕生日を結びつけて、その人の持つ「星」を決めるという考え方は、古今東西、変わらない占星術の発想です。占星術は非科学的な迷信だといわれることもありますが、いいかげんなものだとも一概には断定できません。なぜなら、占星術がいいかげんなものであるならば、人類の数千年の歴史の中で、とっくの昔に滅びているはずだからです。したがって、すべての占星術は、「人間の運命は天体の運行に影響されている」ということを前提としています。
このような占いの歴史や考え方を知っておくと、占いも一段と意義深いものになります。占いは「転ばぬ先の杖」です。占いを賢く利用し、幸せな人生を歩んでいきたいものです。

Comments are closed.

Post Navigation